札幌は山の街
のっけから『えっ!』と思った方も多いのではないでしょうか。札幌といえば、北海道の大地に広がる大都市というイメージを抱く方が多いと思いますが、実は札幌は、市域の半分くらいが山なのです。
札幌市の南西部にある南区。南区だけで札幌市の半分くらいを占める大きな区ですが、南区はほとんどが山です。最高峰は余市岳の1,488m。もちろん登ることができます。
とはいえ、1,000mを超える山に登るとなると、それなりの登山装備が必要なので、札幌市内で、ハイキング感覚で登ることができる山をいくつかご紹介いたしましょう。
円山
最初は円山です。円山公園、円山動物園があるところです。標高は225m。市街地にありながら山体を覆う樹木は天然記念物に指定されている原始林(実際は原始林に近い天然林)です。写真は、藻岩山からみた円山です。
登山口は「八十八ケ所入口」と「動物園裏入口」の2箇所あります。山頂までは約1kmで、所要時間は40分ほどです。
地下鉄「円山公園」駅から近い「八十八ケ所入口」から上ると、登山道沿いにずらりとお地蔵様が並んでいます。また、周辺には樹齢150年にもなるカツラの大木やミズナラなどが見られます。時折姿を見せるエゾリスが歩いている最中のお楽しみです。
登山道は木々に覆われているので、登りながら札幌の町並みを眺めることはできません。でも、途中1箇所だけ視界が開けるところがあるので、一休みスポットに良いでしょう。
標高200m足らずとはいえ、ビルの高さにすると50~60階建ての高層ビルに相当します。登山道には岩場もあるので、歩きやすい靴で登るのは必須です。トイレは登り始める前に済ませておきましょう。
円山「八十八ケ所入口」住所:札幌市中央区円山
アクセス:地下鉄東西線「円山公園」から徒歩約10分
三角山
次は三角山です。円山より少し高くて、標高は311m。山頂には一等三角点があります。一等三角点があるということは、どこからもよく見えるということ。逆に言うと、山頂からの見晴らしが良いということです。
登山道が良く整備されているので、初心者でも不安なく登ることができるでしょう。登山口は、「山の手入口」、「宮の森入口」、「小別沢入口」の3箇所ありますが、トイレがある「山の手入口」がオススメです。
ルートを組み合わせて、勾配や距離を選ぶことができます。ゆっくり登っても所要時間は約1時間。分岐点ごとに案内表示板やベンチが置かれているので安心です。
7月23日(ふみの日)には、山頂に臨時郵便局がオープンし、「三角山ポスト」が置かれ、投函した郵便物には、三角山・一等三角点・キアゲハがデザインされた消印が押されます。
三角山「山の手入口」住所:札幌市西区山の手
アクセス:地下鉄東西線「西28丁目」からJR北海道バスで「山の手4条11丁目」下車、徒歩約5分
藻岩山
最後は藻岩山です。今回ご紹介する中では最も高い山で、標高は531m。シナノキ、ミズナラ、シラカバなどが生い茂る藻岩原始林は、1921(大正10)年に北海道初の天然記念物に指定されました。
登山口は5箇所ありますが、麓にあるのは「慈啓会入口」と「旭山記念公園入口」の2箇所。慈啓会入口からのルートが一番人気で、よく整備された登山道は、初心者にも登りやすいでしょう。
慈啓会入口には、案内図の他に、トイレ、水飲み場なども完備されています。慈啓会入口から山頂までは約2.9km、所要時間は1時間15分ほどです。
山頂は、札幌有数の観光スポットなので、絶景スポットの展望台やレストラン、売店などがあります。登山者のための休憩室や着替え室があるので、着替えてさっぱりして下山することができます。疲れ果ててしまった人は、ロープウェイで下山するという奥の手があります。
藻岩山「慈啓会入口」住所:札幌市中央区旭ケ丘5丁目
アクセス:地下鉄東西線「円山公園」からJR北海道バスで「慈啓会前」下車、徒歩2分
まとめ
今回ご紹介したのはいずれも、地元では小さな子どもからお年寄りにまで親しまれている山ですが、山は山。歩きやすい靴、動きやすい服装、雨具、季節ごとの寒さ・暑さ対策はお忘れなく。また、山道で出会う野生動物たちにエサを与えたりしないよう注意しましょう。
さあ、市街地にある山で登山を楽しんでみましょう。頂上から見渡す札幌の絶景が皆さんをお待ちしています。
(画像は写真ACより)