知る人ぞ知る探鳥地
札幌市の北の外れに「茨戸川緑地」という2014年にできたばかりの公園があります。「茨戸川」と書いて「ばらとがわ」と読みます。
札幌は、市街地にごく当たり前に原生林があるくらい自然の豊かな街。野鳥観察スポット、いわゆる探鳥地と呼ばれるところがいくつもありますが、札幌北側の石狩川周辺の水辺では渡り鳥を見ることができます。「茨戸川緑地」もその一つです。
新しくできた公園だけあって、近年、探鳥地としてバードウォッチャーの間で人気が高まっているのだそうです。観光名所として注目を浴びることのないエリアですが、見方を変えれば穴場ともいえます。
茨戸川緑地とは
その昔、蛇行しながら日本海に注いでいた石狩川。雨で増水すると氾濫し、周辺の開拓民は度重なる洪水に苦しまされていました。明治から大正にかけて、蛇行部分をカットして直線の水路でつなぐという大規模な治水工事が行われて石狩川は現在の姿になりました。
蛇行したまま残されたかつての石狩川本流の、逆Uの字形をした部分の内側の土地が「茨戸川緑地」となりました。周囲のかつての本流は「茨戸川」と「真勲別川(まくんべつがわ)」と名付けられました。
「茨戸川緑地」自体の広さは約13haでそれほどではありませんが、両側の「茨戸川」と「真勲別川」は幅200mもあり、さらにその周囲は石狩川河口に広がる広大な平地。北東へ8kmほど行けばそこはもう日本海(石狩湾)で、緑地の北から西にかけての方角には何もない景色が広がります。
よく整備された敷地内には、ビオトープ池、野鳥の森、水辺の広場、眺めの丘などが配置され、野鳥の他にもさまざまな動物に出会うことができます。敷地内に設置されているテーブル・ベンチや東屋などの休憩施設はとてもシンプルで、自然の景観を壊すことのないよう配慮されています。
遊具も一風変わっていて、太陽の向きを体感する遊具、太陽熱の吸収を体感する遊具、振り子の原理を体感する遊具など、実験器具のようです。他には、36ホールのパークゴルフ場もあって、家族連れからお年寄りにまで親しまれています。
飲食に関しては、自動販売機があるくらいで、売店はありません。公園近くにはコンビニなどもないので、ゆっくり楽しみたいときは、お弁当とおやつの用意をお忘れなく。
見ることができる鳥、生き物
さて、「茨戸川緑地」ではどのような鳥、そして生き物が見られるのでしょう。
緑地周囲の水辺では、ハクチョウ、ダイサギ、アオサギ、マガモ、ヒドリガモ、マガモ、カワアイサ、ミコアイツ、キンクロハジロなどの水鳥を見ることができます。写真が趣味の方なら、緑地の南西方向にそびえる手稲山をバックに、飛翔する渡り鳥の群れを狙ってみるのも良いでしょう。
草原に目を移すと、トンビが高く舞い、珍しいところではオジロワシも見られるといいます。小型の鳥では、ノゴマ、ノビタキ、ベニマシコ、オオジュリン、コヨシキリ、ホオアカ、ウグイス、そしてバードウォッチャー憧れのカワセミが見られます。
キタキツネが姿を現すことがあり、乗馬を楽しむ人がおり、冬場になると、緑地周囲の「茨戸川」と「真勲別川」はワカサギ釣りを楽しむ人で賑わいます。
帰る前にスイーツをどうぞ
広々とした自然のなかで野鳥観察を楽しんだ後は、帰る前にここに寄りましょう。チョコレートでおなじみの「ロイズ」の「あいの里公園店」です。
「茨戸川緑地」の南にある「あいの里公園」の隣に、ロイズチョコレートの製造元、ロイズコンフェクトの本社・あいの里工場、そして直営「あいの里公園店」があるのです。
チョコレートだけでなくソフトクリームやパンも販売されており、イートインスペースもあるので、一息入れるのにはもってこいです。
ロイズ あいの里公園店住所:札幌市北区あいの里3条9丁目21-50
アクセス:「茨戸川緑地」管理事務所から車で約6分
まとめ
いかがだったでしょうか。観光客であふれかえった市内を離れて広々とした公園でバードウォッチングを楽しんでみるという趣向でご紹介しました。水辺の宝石「カワセミ」を探しに行ってみませんか。
茨戸川緑地住所:札幌市北区あいの里5条4丁目
アクセス:JR札沼線(学園都市線)「あいの里教育大」駅前から中央バス、「あいの里4条7丁目」で下車し徒歩約15分または、札幌駅から車で約30分
(画像は写真ACより)