寒さを忘れる氷の芸術
タイトルを見て、何と読むのだろうと思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。「氷濤」と書いて「ひょうとう」と読みます。難しい字ですね。漢字辞書を引いてみると、「濤」には、なみ・おおなみ・波立つという意味があるのだそうです。なお、支笏湖は「しこつこ」と読みます。
札幌、新千歳空港どちらからも1時間ほどで行くことができる支笏湖。支笏洞爺国立公園に属するこの湖のほとりに、厳冬期にだけ幻想世界が出現します。
寒いからこそ見ることのできる世界。でも、見れば寒さを忘れるほどの感動を味わえる世界にご案内いたしましょう。
支笏湖とは
支笏湖は、千歳市にある淡水湖です。先に書いたとおり、支笏洞爺国立公園に属していて、日本最北の不凍湖です。ただし、全く凍らないわけではなく、寒い年には全面凍結したこともあるそうです。
湖を一回りすると約40km。深さは最大360m、平均でも265mあり、日本では秋田県の田沢湖に次ぐ深さです。火山が噴火した後の窪地(カルデラ)に水がたまってできたカルデラ湖で、カルデラ湖としては屈斜路湖に次いで日本で2番目の大きさです。
水のきれいなことでも知られていて、透明度は17.5mに達し、摩周湖やバイカル湖(ロシア)に匹敵します。さらに、環境省が実施している水質調査で、9年連続日本一となりました(湖沼部門)。
氷濤まつりの氷のオブジェ
さて、支笏湖氷濤まつりです。「さっぽろ雪まつり」があまりにも有名になったので、その陰に隠れがちですが、「支笏湖氷濤まつり」は40年近い歴史を誇り、例年20万人もの来場者がある祭典です。
「さっぽろ雪まつり」の雪像が、雪を積み上げ、削って作る巨大かつ精巧な造形が特徴であるのに対し、支笏湖氷濤まつりに出現するのは、支笏湖の水をスプリンクラーで吹き付けて凍らせてできあがるさまざまな形の氷のオブジェです。
日本一きれいな湖水をゆっくり凍らせて作った氷の美しさは圧倒的で、夜のライトアップを待たずとも、昼間も淡いブルーに輝く氷が見られます。この青は「支笏湖ブルー」と呼ばれ、氷濤まつりの見所のひとつになっています。
夜になれば、いくつも作られたオブジェが色とりどりにライトアップされ、まさに幻想の国が出現します。氷のオブジェが、建物や動物といった具体的な形ではないため、より一層神秘さが増しています。
氷濤まつりの見所とアトラクション
会場内には、支笏湖の水で作られた氷のオブジェの他に、氷で作られた見所、遊びどころがたくさんあります。
アイススライダー高さ3mほどの氷の滑り台です。もちろん子供たちには大人気。
チャイルドリンク靴のまま滑走して遊びます。こちらも子供たちは大喜びです。
ビッグマウンテン高さ10mほどの巨大な氷のオブジェ。中に入ると高さ10mの氷の壁にぐるりと囲まれます。吹き付けた湖水が地層のような模様を描き、圧巻の眺めです。
支笏湖ブルーの池美瑛にある超有名観光スポット「青い池」を模して造られたのが「支笏湖ブルーの池」。支笏湖の湖水を入れて作った直径10mほどの池に樹木が立っており、夜はライトアップされて幻想的な雰囲気になります。
楽しいアトラクションの数々期間中は、花火大会や和太鼓の生演奏、ゲーム大会にプレゼント企画、さらに氷濤ウェディングなどイベントも目白押しです。会場内の売店では、温かい飲み物や食べ物の他、オリジナル商品が販売されます。
シメは温泉1日氷に囲まれて体が冷え切っても心配は無用です。何といっても会場は「支笏湖温泉」です。日程に余裕があれば泊まりがベストですが、日帰り温泉もあるので安心です。
まとめ
さっぽろ雪まつりと同じ時期に開催されるので、欲張って両方見に行くということも可能です。札幌から1時間。今度の冬は雪像と氷のオブジェを両方堪能する、というのはいかがでしょうか。
支笏湖氷濤まつり住所:千歳市支笏湖温泉
アクセス:新千歳空港からバスで約1時間
公式サイト:
http://hyoutou-special.asia/#p00(画像は写真ACより)